苦しむ人・悲しむ人の支えとなるために スピリチュアルケアの現場から

苦しむ人・悲しむ人の支えとなるために スピリチュアルケアの現場から

(9220)
いのちのことば社

その人のそばにいること、耳を傾けること、一緒に希望を見いだすこと……。痛む人たちを精神的・心理的・霊的に支えることの必要を、若者支援、病院チャプレン、医療刑務所教誨師としての視点から報告する。

著者・訳者など:窪寺俊之・島田裕子・赤刎正清・岸本光子・清田直人・上田直宏
ISBN:978-4-264-04473-4

島田裕子(しまだ・ゆうこ)
 一九六〇年、新潟県に生まれる。市教育支援センター職員、市教育委員等を経て、現在、若者を応援するボランティア団体代表、市社会福祉協議会理事。著書として、学会誌掲載論文「癒しの思想」(日本キリスト教社会福祉学会)、「不登校児童生徒のスピリチュアルペイン」(日本スピリチュアルケア学会)などがある。
 
 赤刎正清(あかはね・まさきよ)
 一九六二年、兵庫県に生まれる。府中病院元臨床スピリチュアルケアカウンセラー。現在、日本基督教団花の峯伝道所/成松伝道所牧師、兵庫大学非常勤講師、堺看護専門学校非常勤講師、アガぺ甲山病院/教会協力牧師、神戸聖隷福祉事業団支援員、神戸市特別支援学級支援員。著書として、『続・スピリチュアルケアを語る』〔共著〕(関西学院大学出版会)。
 
 
 岸本光子(きしもと・みつこ)
 一九五七年、大阪府に生まれる。現在、 大阪暁明館病院伝道所牧師・同病院チャプレン、大阪医療刑務所 教誨師・篤志面接委員、関西学院大学非常勤講師、日本臨床宗教師会、日本臨床スピリチュアルケア学会 会員。著書として、 『主よ、用いてください―召命から献身へ』〔共著〕(日本キリスト教団出版局)などがある。
 
 清田直人(きよた・なおと)
 一九七二年、熊本県に生まれる。現在、社会医療法人栄光会栄光病院チャプレン/グリーフカウンセラー、NPO法人栄光ホスピスセンター副理事長、八代聖書教会協力牧師、九州大学医学部非常勤講師、久留米大学認定看護師教育センター非常勤講師、日本スピリチュアルケア学会理事、日本死の臨床研究会代議員、日本ホスピス緩和ケア協会九州支部幹事。著書として、『死をみるこころ 生を聴くこころⅡ』〔共著〕(木星舎)、『ホスピス さよならのスマイル』〔共著〕(弦書房)。
 
 上田直宏(うえだ・なおひろ)
 一九八一年、兵庫県に生まれる。日本基督教団関西学院教会伝道師、淀川キリスト教病院チャプレンを経て、現在、日本基督教団主恩教会牧師、サンフランシスコ神学校(牧会学博士課程在学中)、関西学院大学非常勤講師、The Society for the Study of Christian Spirituality会員。著書として、論文「現代の霊性への関心の高まりとその共同体性についての一考察」、訳書として、『ソーシャルワークにおけるスピリチュアリティとは何か』〔共訳〕(ミネルヴァ書房)などがある。
 
 窪寺俊之(くぼてら・としゆき) 
 一九三九年、東京都に生まれる。淀川キリスト教病院チャプレン、関西学院大学教授、聖学院大学教授を経て、現在、兵庫大学大学院非常勤講師、日本臨床死生学会常任理事、日本スピリチュアルケア学会代議員、日本ホスピス財団評議員など。『スピリチュアルケアと教会』(いのちのことば社)、『スピリチュアルケア入門』(三輪書店)、『スピリチュアルケア研究』(関西学院大学出版会)などがある。

目次

まえがき〈窪寺俊之〉 3
 
 若者たちの苦悩と生き方に寄り添う
 ―「いのちのつながり」の中で―〈島田裕子〉11
 
 はじめに 11
 1 スピリチュアルな苦しみ 12
 2 ユリの苦しみ 14
 3 ユリのスピリチュアルペインに寄り添う 20
 4 ユリの新しい生き方の探求に寄り添う 24
 おわりに 32
 
 
 「出逢い」に尽くす〈赤刎正清〉35
 
 はじめに 35
 1 医療現場でのカウンセラーの働き 36
 2 出逢いの扉が開く 36
 3 「言の葉」の響き 38
 4 一緒懸命 42
 5 「癒し」と「救い」 46
 結 び 50
 
 和解によるいのちの再生
 ―大いなる愛に抱かれて―〈岸本光子〉53
 
 はじめに 53
 1 医療刑務所について 54
 2 教誨について 55
 3 キヨシさんのこと 57
 4 神との和解―人生の苦しみにあうときに― 67
 悲しむ人の支えとなるために
 ―死別体験者へのスピリチュアルケア―〈清田直人〉72
 
 はじめに 72
 1 グリーフカウンセリングルームを始めたきっかけ 73
 2 「ある」と「いる」の違い―病気で娘を亡くしたヒロコさん― 75
 3 「死にたい」という「偽りの希望(偽りの絶望)」―事故で夫を亡くしたリツコさん― 79
 4 「避けられない後悔」と「避けられたかもしれない後悔」
 ―自死で婚約者を亡くしたケンスケさん― 84
 5 悲しむ人の支えとなるために―スピリチュアルケアとは― 90
 おわりに 97
 
 共にいるために
 ―霊的同伴から見る病院チャプレンの関わり―〈上田直宏〉100
 
 はじめに 100
 1 病院チャプレンと霊的同伴 101
 2 共にいるという宣教 ミニストリー・オブ・プレゼンス 104
 3 聴くという宣教 観想的傾聴(Contemplative Listening) 109
 4 目撃するという宣教 witnessing 114
 おわりに 共に招かれている 116
 
 日常生活の視点からのケアについて考える〈窪寺俊之〉120
 
 はじめに 120
 1 ケース紹介 121
 2 文化的影響 124
 3 ケアモデルの整理・構築 127
 4 日常モデル(新しいモデルの必要性=フミさんの特異性) 128
 5 日常モデルの「ケア」の本質(一般論) 131
 結論(フミさんのケース) 135
 
 執筆者紹介 139
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