女が教えてはいけないのか 第一テモテ2章11~15節を1世紀の光で読み直す
女が教えてはいけないのか 第一テモテ2章11~15節を1世紀の光で読み直す
女性が指導者になることを神は禁じたか?
聖書本文の綿密な釈義と時代考証から真相に迫る
キリスト教会が女性教職・指導者を否定する根拠とされてきた教え「女が教えたり支配したりすることを許しません」は、聖書の普遍的な要求なのか? この書簡が送られた時代、テモテが牧会していた女神信仰の本拠地エペソの教会にパウロが求めたことの真意を、古代の資料と厳密な釈義から解明し、聖書全体が女性リーダーを肯定していることを明らかにする。
私たちの目的は、人は神が導くどんな所のどんな働きでも、男も女も平等に、献身と奉仕へ召されることを、聖書を根拠として主張することである。本書は、しばしば女性による宣教を妨げ、議論の的となっている箇所、すなわち第一テモテ2章12節を、入念かつ細心の注意を払って論じようとするものである。この箇所は、女性の役割と地位についての議論で、あまりにもしばしば要となっている。そういうわけで読者は大量の関連資料に触れることになる。本書に登場する資料の多くは古代エペソの宗教と文化を扱っており、その分野を専門とする者でも容易に手にすることのできないものである。(本文より)
目次 序章 従来の解釈に見られる問題点 第1部 この箇所の背景に取り組む 第1章 信仰をもって聖書に取り組む 第2章 牧会書簡 誰が何のために書いたのか 第3章 書簡の送付先 エペソ市 第4章 問題を確認する 牧会書簡群に見られる証拠 第5章 第一テモテ1章3節~2章11節を念入りに調べる 第2部 何を差し止めているのか(第一テモテ2章12節) 第6章 第一テモテ2章12節を綿密に調べる 第7章 アウセンテインという見慣れない動詞 第8章 ほかには何と訳せるのか 第9章 女性を主たる根源と見る 第3部 禁令の論理的説明(第一テモテ2章13~15節) 第10章 非難なのか、反論なのか(第一テモテ2章13~14節) 第11章 聖書の重要記述はいかにして覆されたか 第12章 作り話が改変される 第13章 グノーシス的ユダヤ文書における女主人公 第14章 偉大なる女神たちとエバ 第15章 蛇とエバが崇敬される 第16章 出産をどう見るか(第一テモテ2章15節) 結 び
著者・訳者など:リチャード・C・クレーガー、キャサリン・C・クレーガー 共著
稲垣緋紗子 訳
ページ数:392頁
判型:四六判
ISBN:978-4-264-04412-3
リチャード・C・クレーガー(1924?-2010)
キャサリン・C・クレーガー(1925-2011)
The Insutitute for Lay Training(信徒指導者養成学院)の創設者。キャサリンは、新約聖書学者、著作家、聖書的同等運動指導者(Christians for Biblical Equality の創設者・会長、Peace and Safety in the Christian Home の創始者・会長)。彼女はブリン・モアカレッジでB.A. ミネソタ大学でPh.D. を取得(古典学)、ゴードン・コンウェル神学校準教授(古典学および牧会学)、The IVP Women’s Bible Commentary (女性たちによる聖書注解、InterVarsity Press) 編者、米国宗教学会、聖書文学会、福音主義神学会会員。リチャード(Rev. Dr.)は、セントポールのアーリントンヒルズ長老教会はじめ10の教会を牧会(5州におよぶ)。夫妻はほぼ60年を連れ添う。